iA ネタの続きです。
相変わらずセガの internet Adventure [iA] につながらないので、「クローズドβテスト参加規約」を読んでみることにしました。

規約は、先日 Mixi が著作権に関する条項を追加しようとして、問題になったばかりです。

iA ソフトウェア自身の著作権は当然ながらセガに帰属するので置いといて、ユーザーから提供されるデータに関する規約は 2カ所あります。


iA の使用許諾契約書 (2008/3/13)

4.βテストに関連する情報
βテストを通じて提供される情報に関する著作権その他の知的財産権は、弊社又は正当な権限を有する第三者に帰属します。

8.参加者創作コンテンツデータの取扱い
1)参加者が、βテストにおいて本ソフトウェアを使用して創作したコンテンツデータ(以下「本コンテンツ」といいます)の著作権(著作権法27条及び28条に定める権利を含みます)は弊社に帰属するものとし、且つ当該創作を行った参加者は本コンテンツにつき弊社又は弊社の指定する者に対し著作者人格権を行使しないものとします。但し、本条の定めは、βテストにおいて本コンテンツとして創作する以前において、参加者に帰属する著作権及び著作者人格権に及ぶものではありません。

つまり、iA 上のアイランドでユーザーが何を書こうが、どんな素晴らしいオリジナルアイテムを公開しようが、著作権はセガおよび関連会社に帰属、著作人格権も行使しないでね、ということで、Mixi や他のブログサーバで問題になっている表現と大して変わらないですね。

Mixi で問題になった 18条はこんな文章でした (改正するみたいですが、以下は改正前)

第18条 日記等の情報の使用許諾等

1 本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利 (複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと) を許諾するものとします。

2 ユーザーは、弊社に対して著作権人格権を行使しないものとします。

iA の場合もブログと事情は似ていて、
(まだプレイしていないので解釈の違いがあるかもしれませんが)

  • MMORPG の表現上、ユーザーがアップロードしたテキストやグラフィックスをいろいろな形式やサイズで変形して表示する可能性がある (著作人格権 – 同一性保持権)
  • 負荷分散のため、ワールドのデータを 2つ以上のワールドサーバでミラーリングする可能性がある (著作権 – 複製権)
  • 著作物をサーバから他の CBT ユーザーに対して、自動的に公衆に送信する (著作権 – 公衆送信権)

これらに対していちいち侵害されたといって著作人格権を行使されたのではサービスの運営もままならない、という意味では理解できます。

しかしそれならそれで、もう少し規約が長くなってでも限定的に書くべきで、「セガもユーザーがアップしたデータを勝手に編集して出版するつもりがあるんだね」と言われても仕方がないですね。チャットには以下のような表現がありますが、

11.チャットサービス等の利用
1)βテストにおいて提供されるチャットサービス等のメッセージ伝達方法は実証試験目的のために利用可能となるものであり、特定人間の通信を保証するものではなく、参加者から発信された情報は、弊社又は弊社がその管理を委託する第三者のサーバ上に履歴情報として記録される場合があります。

それ以外のユーザーの「著作物」については具体的な意図が分かるような記述がなく、あまり Mixi 会員規約 18条の反省を生かしたものとは言えないと思います。

今は CBT ですが、本格的にサービスが始まる前に改善してほしいものですね。