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準備

朝 8:40 – 余裕をもって錦糸眼科に到着。受付を済ませる。20分ほど前に到着してしまい、周りにはまだそれらしい人影はない。

9:00 – エレベータで検査フロアへ移動するように言われる。ドアが開くと、まだ病院側の白衣を着た皆さんが一斉に左に向いているところに出くわした。

「朝礼が終わりかかったところに、患者が予定より早く到着した」ことが飲み込めるまでお互いに動きが固まった後、「おはようございます」と何事もなかったかのように通される。

手術直前の検査を受ける。角膜の屈折度数、乱視度数など「あごをここに乗せてください」系の検査や角膜厚の検査のみ。最終的にレーザー照射に使われる値は、前回来院時の値と、今測った手術直前の値との平均値を取るそうだ。 ((事前に電話で確認ずみ))

ほどなくして執刀医の先生に呼ばれ、目のコンディションに問題がないので、手術可能であることを告げられる。おそらく、角膜の状態が悪かったり、前回の術前検査 (適応検査) の値と比較して屈折度数が違うような場合は、延期になるのだろう。 ((コンタクトを装用している場合は、外しても数日間かけて角膜のカーブが元に戻るため。))

待っている間に矢作院長が自ら出演する説明ビデオを見る。なかなかアピールが強く、自信に満ちた話し方である。これぐらいの人でないと、美容整形系のクリニックの値下げ攻勢に伍してレーシックビジネスを維持していくのは大変だろうな、などと考える。

フラップ作成

名前を呼ばれて、手術フロアへ移動。同時に何人かの手術を行うようだ。

いわゆるクリーンルームらしく、透明な自動ドアで仕切られて、患者の待ち合わせ部屋と、イントラレース FS60 レーザーやボシュロム テクノラスのある部屋とがある。他にもいろいろあって広そうだが、他の機械は何か分からない。無機質で、非日常的な空間である。

1つの機材を数人の医師と看護師が取り囲んでいる。

いわゆる手術室というと、どうしても無影灯がさんさんと天井から照らしていて、医師がメスを持ち、心臓のパルス音が聞こえて「これより、オペを開始します」…というのを想像してしまう。だが実際のイントラレーシックでは、機械が実際のフラップ作成やエキシマレーザー照射を行い、人間がその監視を行う。 

眼が大写しになったディスプレイがなければ、半導体の製造工場ですと言われてもあまり疑わないだろう。

順番に薄青の手術衣を前から着せられ、袖を通す。シャンプーハットのような手術帽をかぶり、点眼開始。定期的に看護師の方が巡回してきて、点眼していく。器用に指の間に 1個ずつ、2個の点眼薬をはさんでいるのがちらっと見える。

そのうち名前を一人ずつ呼ばれて、FS60 へ移動しては、看護師に手を引かれて戻ってくる。人がやっているのをチラッと見ると、ディスプレイに黒目が大写しに表示され、それを上からスキャンして塗りつぶしているように見える。あれでフラップを作成しているようだ。

自分も目を閉じていないといけないので、はっきりとは分からないが、待ち合わせパーティションのシートの数からすると全部で 6-7人が同時進行で受けるようだ。

3番目だったか、名前を呼ばれる。ドアが開くと機械の「ゴー」という稼働音がすべり込んでくる。

何人かが機械を取り囲んでいて、やや高いところに位置している医師が「セット完了」などと呼称している。

直前の人のイントラレース終了と同時に、ベッドにあおむけに寝るように指示される。

開眼器でまぶたが閉じないように固定された。もっと仰々しく爪を一個ずつ引っかけるような阿鼻叫喚の図を想像していたのだが、執刀医の方が手慣れているのか、装着は「パクッ」という感じでテンポよく一瞬。

イントラレース FS60 のレーザー照射は眼球を吸引、固定して行われる。筒らしきものが降りてくる…と書きたいところだが、なにか円形の黒い闇が接近してきて、何も見えなくなる。照射しているらしいが、点眼麻酔が効いていて痛みは感じない。でも眼が完全に固定されているのは分かる。飛蚊症は増えるらしいが、これだったらセッティングを間違えない限り照射ミスはなさそうに思える。

これで目覚めたら人造人間になっているのだな…さようなら、人間だった日々よ。

看護師に手をひかれて戻り、隣のパーティションで目を閉じて待ち。
自分である程度歩けるところを見ると視界はあるようだ。でも薄もやがかかっているような気がする。

他の患者も、看護師が名前を呼んで反応する以外は、静かなものである。「麻酔をくれ」などと転げ回る人でもいるかと思ったが、一言も発しない。自分の眼に起こりつつある変化を神妙に受け止めているのか。

エキシマレーザー

エキシマレーザーの照射が始まったらしく、「26秒」などと秒数をカウントダウンしている。人によって照射時間が微妙に変えられていて、さらに必ずしも 5秒間隔とは限らないようだ。声につられて薄目で見ると、いつの間にか医師と看護師の位置が右隣の機械に移動している。ということは、これがウワサのボシュロム テクノラスか。

やはり黒目が大写しのディスプレイがあり、こちらはプラス “+” が 2つ表示されている。一つは角膜の中央、もう一つはレーザーの照射位置だろうか。

他にもクリーンルームには、まだまだ未知の機材が空間に大量に置かれている。うち一つは、患者が 18万円コースと言い張った場合のウェーブライト アレグレット ウェーブだとして、あとは故障時の予備なのか、他の術式用なのか、はたまた緊急オペ用なのか。そこまで見ている余裕はない。

「Nire さーん、こちらへどうぞ」

名前を呼ばれ、人生で一番長い長い 32秒間の闘いが始まった。

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