WordPress 2.6 日本語版がリリースされたので、手順を整理しておきます。
基本的には Codex の Upgrading WordPress Extended と同様ですが、気づいた点を補足しています。

前提条件

  • CentOS 5.2 が動作していること
  • WordPress 2.5.1 日本語版が動作していること
  • phpMyAdmin がインストールされていること
  • Web ブラウザ側は Windows Vista 日本語版 SP1 + IE7

画像のアップロードはきちんとできるのか?サムネイル作成時のトラブルは直ったのか?

  • 以前 2.5 で以下のようなトラブルがあることをお伝えしましたが、2.6 では問題ないようです。
    WordPress 2.5: サムネイル表示に失敗する / 周囲が切れる
  • 「Flash アップローダ」と「ブラウザアップローダ」の 2種類が選べるようになりましたが、両方とも問題なくアップロードできるようです。

SQL DB のバックアップを作成する

Codex では SQL DB のバックアップを取れと書いていますが、アップグレード手順の中で読み込むわけではないので、他のバックアップ手段があるなら、それで代替しても可です。(e.g. Virtual Server or VMware の仮想ディスクごとバックアップを取ったなど。)

WordPress の SQL データベースのバックアップを取るため、phpMyAdmin にログオンします。
左側に WordPress のデータベース名が表示されているのでクリックします。

[エクスポート] をクリックします。

エクスポートのオプション選択です。

  • [DROP TABLE / DROP VIEW を追加] にチェック
  • [ファイルに保存する] にチェック
  • [圧縮] なしを選択

したうえで、一番右下の [実行] をクリックすると .sql ファイルを保存できます。

そんなに投稿が多くない場合は [圧縮 なし] が安全確実、多い場合は [gzip 形式] で保存します。
([zip 形式] では、エクスポートできても、インポートに失敗することがあるようです)

エクスポートしたファイルが正常に読めることを、インポートしてみて確認します。
他に環境がないなら同じサーバにインポートするしかありませんが、できたら WordPress インストールしたての中身が空のテスト環境を用意して、すべての記事が読めることを確認した方がよいでしょう。

うまくインポートできれば、次のように表示されます。

さらに、実際にブログをリロードしてみて、正しく表示されることを確認します。

SQL DB 以外のバックアップ

現在インストールしてある wordpress 関連のファイル群を元に戻せるようにバックアップしておきます。特に以下のカスタマイズしたファイルや、アップロードした画像などは、消えるとヒサンなのでいつでも元に戻せるようにしておきます。

  • wp-config.php
  • wp-content/ (ただし wp-content/cache ((案外消し忘れます)) , wp-content/plugins/widgets フォルダは消去する)
  • .htaccess
  • robots.txt
  • wp-images/ (無ければないで OK)
  • wp-includes/languages/ (無ければないで OK)

WordPress 2.6 をインストールする

  • 可能なら、Web サイト自身が外からアクセスできない状態にし、「工事中」のサイトに誘導したり、503 Service Temporarily Unavailable を返すようにしておきます。
  • WordPress 2.5.1 の管理画面で [プラグインをすべて停止] しておきます。(重要)
  • 日本語版公式サイト http://ja.wordpress.org から wordpress-2.6-ja.zip をダウンロードします。
  • 展開 / アップロードします。
  • 必要に応じて、所有者 / グループを chown -R を使って、現在の環境と合わせて、
  • 現在の wordpress 環境に上書きします。

以下は、サーバーにログオンできる場合です


# wget http://ja.wordpress.org/wordpress-2.6-ja.zip
# unzip wordpress-2.6-ja.zip
# chown -R xxxxx.xxxxx ((現在の環境に合わせる)) ./wordpress
# cd wordpress
# tar cf - ./ | (cd /var/www/xxxxxx ((WordPress のインストール先を指定)); tar xvpf -)

wp-config.php に 3種類の KEY を追加する

WordPress 2.6 日本語版に含まれる wp-config-sample.php と、ご自分の wp-config.php を比較してみてください。2.5.1 以前の wp-config.php には 3種類のキーが足りないはずです。


// それぞれの KEY を独自のフレーズに変更してください。あとで思い出す必要はないので長くて複
雑なものにしてください。
// http://api.wordpress.org/secret-key/1.1/ を訪れればフレーズを生成してくれます。
define('AUTH_KEY', 'put your unique phrase here'); // 固有のフレーズに変更してください。
define('SECURE_AUTH_KEY', 'put your unique phrase here'); // 固有のフレーズに変更してください。
define('LOGGED_IN_KEY', 'put your unique phrase here'); // 固有のフレーズに変更してください。

2.5.1 では


define('SECRET_KEY', ...

という行が追加されていますが、これもキーの名称が古いので、消す必要があります。

コメントにあるように define(….) の行を取得したランダムなキー文字列に変更します。

下記は取得してみた例ですが、面倒くさがってコピペしないで、上記のサイトから取得したものか、自分でランダムに書いた十分に長い秘密鍵に変更します。


define('AUTH_KEY', '{wmHW(q@]&\\)EpA$=<0zin6}$o)P.(k\'iisJ{ define('SECURE_AUTH_KEY', ';2Hs+?.XSE}CIG~@r`8Bu3C4{M&_u9Pq8MT zM55aFy0)gz)B1xmTJ.ZlAgjSsK^');
define('LOGGED_IN_KEY', 'z >Q?NBfyl :0Ii>[^u<

データベースのアップグレード

wp-login.php にログインします。

ログイン直後に「データベースのアップグレードが必要です」と表示されるので、[WordPress をアップグレード] をクリックします。

無事にアップグレードすると、以下のメッセージが表示されます。

プラグインはまだ停止したまま、投稿、画像などのアップロード、コメント、トラックバックなど一通り試してみます。

プラグインを少しずつ on にしてみる

基本動作が OK なら、プラグインを徐々に on にしていき、動作を確認します。

WordPress の公式サイトに、プラグインの互換性リストがありますが、自分でも試してみたほうがいいと思います。上記サイトに書いてないもので NG だったもの、Conflicting plugins に入っていても機能限定で動くものがあるようです。リストを作りました。