イーモバイルの端末として、結局 D11LC を購入しました。実際の使い勝手を見ていきます。

安い、速い、Eee PC 901-X との相性が良い D11LC

D11LC は USB に接続するタイプのデータ通信端末です。購入時お支払額 (頭金) は公式サイトで買うと 980円、店頭では 0円で売られていて、ご加入アシストにねん (月額) もかかりません。料金的には D02HW と限りなく同等に安いといって良いでしょう。

D11LC は H11T や EMONSTER S11HT と同じく HSDPA 3.6Mbps ですが、PC とのインターフェースは USB 1.1 で、理論値で最大 12Mbps と、かなり余裕があります。

USB 接続なので電源はノート PC (Eee PC 901-X) 自身が供給することになりますが、6セルバッテリーを搭載し持続時間が 8.3時間もある Eee PC 901-X なら、バッテリー容量が余っているので、望むところです。

大きさは幅 26.6mm x 高さ 11.8mm x 奥行き 80.2mm。USB メモリよりは大きいですが、D02HW に比べると小さく、邪魔な USB ケーブルも不要で、ノート PC のサイドに直接つけることができます。

「ゼロインストール」といってもドライバのインストールは必要

公式サイトには

「面倒なインストール作業なしですぐに使える、ゼロインストール」

と書いてあるので、Windows XP / Vista に USB メモリを差しただけで、ハンズフリーで OS 標準ドライバが自動的にインストールされるようなイメージを持ってしまいますが、実際にはちょっと違います。

最初に D11LC を PC に接続したときに、「EMOBILE LC ユーティリティ セットアップウィザード」が起動します。いわゆる普通のドライバのインストーラなので、[次へ] ボタンをクリックするなど最低限の操作は必要になります。Eee PC 901-X を使っている場合は、インストール先を C: ドライブから D: ドライブに変えて少しでも C: ドライブの使用容量を減らすのをお忘れなく。インストール後、OS 再起動が必要です。

ゼロインストールというより、インストーラが D11LC 自身に同梱されていて、自動実行 (autorun) するというのが正確なところで、ここはカタログの表現として誤解を招くところです。

接続はユーティリティ経由でも、OS から直接も可能

ユーティリティを起動するとデバイス認識後、アンテナ感度が表示されます。待ち受け可能状態であることは、このユーティリティがなくても LED が緑または青で点滅することで確認できます。

接続ボタンを押すと接続完了。パケットカウンターがついています。デバイスの認識には 18秒程度 ((Eee PC 901-X、バッテリー駆動、Auto Power-Saving モード、先に EMOBILE LC ユーティリティを起動済み状態で実験。)) かかりモッサリ感がありますが、イーモバイル網へのダイヤルアップ接続は 5-6秒です。

このユーティリティ、起動時間だけでなく、見た目も動作もちょっとモッサリ感があります。起動しっぱなしでノート PC の液晶を閉じスリープさせると、次回レジューム時にフリーズしていることがあるため、接続を切ったときにユーティリティも終了させてしまうのがお勧めです。

接続はユーティリティがなければ起動できないわけではなく、ユーティリティ セットアップウィザードが完了した時点で「EMブロードバンド」というダイヤルアップ設定ができています。パケットカウンターが要らないならこれで接続することも可能です。ダイヤルアップに使う電話番号は *99***1# でした。

コンパクトで高速だが、ユーティリティの完成度はもう少し

最近この D11LC、Eee PC 901-X とセットで「スーパーライトデータプラン にねんMAX」への加入を前提に売られています。以前であればイーモバイルという選択肢自体がアリエナイと思っていた私ですが、NTT ドコモが、スーパーライトデータプランよりも価格が高い上に USB 接続の A2502 というデカい端末を接続しなければならないことを考えると、D11LC の方がよほど良いです。

ハードウェアスペックではさほど文句はありませんが、ドライバやユーティリティの完成度はもう一つでしょう。一度接続したものが切れやすい、といった不安定さはありませんが、デバイスの認識に時間がかかったり、ユーティリティがフリーズしたりするのはどうでしょうか。

LC はメーカーである中国 LongCheer Technology の略のようです。いわゆる 1円ケータイなのでお値段なりのモデルということでしょうが、メーカーとしてのソフトウェアのクオリティも今後注視したいところです。

とりあえずここまで。接続速度やエリアについてはまた別エントリで書きます。