借家アパートにフレッツ光ネクスト ファミリー・ハイスピードタイプを契約することにしました…が、ここで部屋にどうやって光ファイバを引き込むか、物理的なルートの問題があります。いや、物理的な問題だけではなさそうなのですが…。

光ファイバーは、固定電話のメタル (銅線) と同じように、電信柱や地下を通っています。ファミリータイプを個人で直接引く場合、最寄りの電信柱から分岐して、設置場所の室内にダイレクトに、以下のいずれかのルートを通って引き込む必要があります。

電話線の配管を通す

一番手っ取り早い方法です。電話用の配管の先には、壁面にモジュラージャック用のパネルがあるので、そこを光ファイバーのコンセントに交換してしまえば美観上もスマートです。

しかし、古い配管は直径が細いうえに錆びていたりして、素直に新しい光ファイバケーブルが通るとは限りません。

さらに曲率の問題があります。物理的なファイバの強度や、ファイバの中を光が屈折しながら進む都合上、あまりにも管が急激にコーナリングしているような箇所では、ファイバーを物理的は強引に通せても、開通試験をしてみると減衰が大きすぎて通信速度が出ない、といったことが起こりえます。

現在の光ファイバは曲率半径 30mm や 15mm が一般的なはずで、だんだんこの最小半径は技術の進歩に伴い小さくても良くなってきており、かなりこの問題は緩和されてきているはずなのですが。

実際にどうするか、NTT 東日本のフレッツ光工事問合せ窓口と電話で相談してみます。

Nire: 「築年数の古いアパートなんですよね。壁埋め込み型のモジュラージャックはあるので、電話の配管は来ているんですが、ファイバー通るかどうかは調査に来ていただかないと分からないんですよね?」
NTT: 「ええ。でも配管を通せなかった場合でも、エアコンのダクトを利用する方法がありますね」

エアコンのダクト管に便乗する

電話配管が NG の場合は、次善の策としてエアコン室外機と室内ユニットをつなぐダクトパイプの「横」を通します。ダクトパイプと壁穴の間にあるわずかな隙間を利用するわけです。

さすがにこの方法なら万事 OK! という気もしますが、

Nire: 「うちはなんとダクトパイプがまっすぐ伸びてきて、ド真正面に室内ユニットが鎮座しているんですよね。スキマも何も、外からファイバ通したら行き止まり確実です。」
NTT: 「(絶句) あー…。それは大変な環境ですね…。その場合は光ファイバ用に、壁に直接穴を開けることになりますね」

壁に穴をあける

壁に穴。最終手段です。

直径 1cm ぐらいで良いみたいですが、ここで問題になるのが、ここが賃貸物件だということ。大家の許可がなければそれはできないのと、退去時に原状回復の費用を余分に請求される恐れがあります。

Nire: 「調査と、工事で 2回 NTT の工事業者の方が現場にお越しになるんですよね?」

NTT: 「いえ、最近は調査と工事を 1回にまとめようとしております。穴を開けなければいけなくなった時に、NTT の工事担当者から直接、大家さんにコンタクトをとり、工事内容を説明して許可をいただきます。許可が下りれば、その場で工事をして完了です」

Nire: 「ほー、それは立ち会う方も 1回で済んでいいですね。でも、もしその場で大家さんが不在だったら?」

NTT: 「その場合は、許可をいただいた後、日を改めて 2回目訪問させていただき、工事することになります」

Nire: 「こちらも、私は仕事で抜けられないので、代わりの者がその時間帯だけやってきて立ち会うことになるので、立ち会い回数は少ない方が都合が良いです。ちょっと管理会社と相談してみてください」

私の居住しているアパートの場合、アパマンショップリーシングという物件管理会社が「プロパティ・マネジメント」として、大家に代わって不動産管理を引き受けています。

NTT にアパマンショップリーシングの連絡先を伝えて電話を切りました。が….ほどなくして折り返し連絡が。

NTT: 「管理会社の方に連絡してみたのですが、やはり事前に許可をいただくのは難しいようです。」

Nire: 「えっ、工事まで日数あるのに、どうしてですか?」

つづく。