Engadget によると、Eee PC 901 に 3G 携帯通信モジュールを内蔵したモデルが出るようです。

Asus、Eee PC 901に3.75G HSUPAを内蔵したモバイルブロードバンドモデルを発表

タイトルには HSUPA とあるのでアレっと思いますが、HSDPA / HSUPA 両方に対応しているようです。現状の Eee PC 901 は 4G + 8G = 12GB SSD のような気がしますが、Eee PC 900 と同等に 16GB SSD に変更されるっていうことなんでしょうか。続報が待たれます。

一体型になったメリットや、予想される困った事態を挙げてみました。

やはり一体型になるとメリットは大きいが

日本国内でどの通信事業者が出すかまでは決まっていないようですが、順当に考えて Eee PC とのセット値引きプランを提供し続けてきたイーモバイルが対応してくることでしょう。

Eee PC ユーザーの場合、イーモバイルに加入して USB 接続タイプの D02HW / D11LCD12LC いずれかを側面に取り付けて通信していると思います。しかしコンパクトであってもそれなりに場所を取るので、混雑している場所では横に飛び出さない工夫が必要ですし、やっぱり出して横に差すのが面倒なのは確かです。

一体型となれば、お出かけ Web 専用サブノートとしての Eee PC 901-X の魅力がさらにアップするのは間違いないでしょう。本体の大きさはともかく、Windows Mobile でも iPhone でもなく、純粋な Windows Vista / XP を搭載したキーボード搭載モバイルという考え方だと、WILLCOM D4 より大きくても、HDD のように可動部分がない SSD で、バッテリー持続時間が長いメリットは大きいと思います。

こんな Eee PC 901-X + HSDPA 内蔵型はイヤだ

現時点で、もしこれをやってしまうと購入するモチベを下げてしまいそうな地雷ポイントを、思いつくままに。

HSDPA / HSUPA デバイスを単独で Off にできない

Eee PC 901-X + D11LC でバッテリー持続時間は 1日使う分にはほぼ問題ないことはすでに体感ずみです。しかし、ローカルでドキュメントを編集している間、やはりバッテリーの持ちを少しでも伸ばすため、通信デバイスは Off にしたいもの。現状では、無線 LAN IEEE 102.11b/g/n と Bluetooth それぞれのデバイスが単独でトグル On/Off できるようになっています。当然ながら HSDPA / HSUPA 通信モジュールを単独で On/Off することができてもいいはず。いま空いている Fn + F10 キーにでもアサインしてくるのでしょうか。

内蔵したせいでアンテナの感度がガタ落ち

SSD は現状、底板の中央部に内蔵されています。カード類を追加するとしたらこの辺の空間ですが、アンテナの位置に工夫がなされず、ただカード状のユニットを内蔵されただけだと、机に置いたときアンテナの上下左右を Eee PC 自身でふさいでしまうことになり、NTT ドコモに比べてつながるけど、基地局の展開はどうしても後発で遅れがち、したがって電波ちょっと弱めなイーモバイルにとっては致命傷になります。

その場合、USB 接続タイプでもいいわけですし、接続するのに抵抗があれば、イーモバイルには H11T や EMONSTER S11T といったワイヤレス Bluetooth モデムになる機種が多数あり、そちらに流れてしまうでしょう。

SIM カードが簡単に差し替えられない

イーモバイルの場合、端末に挿入されている小さな SIM カードを差し替えることで、1つの回線契約を別の端末に移動することができます。D11LC のようなデータ通信専用タイプと H11T のような音声通話もできるタイプとの差し替えが外でできれば、出先で柔軟に使えそうです。しかしデバイスを内蔵する場所によっては、iPhone 3G のように SIM が特殊で着脱できなかったり、できてもプラスドライバーが必要で簡単ではない、などの事態も予想されます。

2年縛りのせいで廉価 PC を買い換えられない恐怖

CPU やストレージの容量に目をつぶって、Eee PC 901-X を使っている最大の理由は、短いサイクルで買い換えようと思える低価格です。会社から貸与されているならともかく、「1年ふた昔」の PC 業界で 2年間同じノート PC を個人で使い続けるなんてショック死しそうです。 🙂 やはり、廉価な PC + 廉価な通信手段独立してバラバラに用意されていて、PC だけでも 2年以下のサイクルで買い換えられることが個人的に非常に重要です。通信手段のほうだって、ずっとイーモバイルを使い続けるとは限りません。WiMAX 対応機種が出たらそりゃ買うだろうと。

ソフトバンクモバイルの iPhone 3G やウィルコムの WILLCOM D4 など、携帯電話 / スマートフォンの世界では、本体の割賦販売も含めた 2年契約が実質デフォルトになっており、2年以下で解約すれば、違約金や月々支払額のアップなどといったペナルティが待っています。Eee PC 本体もセットで安くなるプランのみ提供…なんてことになったら回避決定でしょうね。

内蔵 SSD + HSDPA ユニットが出たら面白いかもしれない

既存 Eee PC 901 ユーザーにとっては、内蔵型の Eee PC 901 は出ても乗り換えられないので面白くも何ともありませんが、もし 16G SSD + HSDPA をセットにして、既存のユニットでもあれば、買ってしまいそうな気がします 🙂 SO-DIMM だし無理そうですが。Eee PC 4G-X を極悪改造して HSDPA ユニットを内蔵している猛者もいますが、USB はジャンパ線で引っ張ってきていますしね。