98/9/21(月) 第1日 富士山登山 (失敗の巻)

20:07
夕食。河口湖周辺でこの時間帯に空いている店は少ない。 レストランとおぼしき所に車が集中していたので、地元の料理が食えるかと思ったが、 メニューを見ると "ハンバーグ定食 1300円" などとあるので中止。いつも 愛用しているバーミヤンで夕食。
ローソンと本屋21:00
書店に入り、今後の作戦を練ることにする。
富士急ハイランド第2駐車場そばには、遊びにきた客を当て込んで、先ほどのレストラン・ バーミヤンや、LAWSON、書店、ガソリンスタンドなどが一つの駐車場を囲むようにして建っており、 いきあたりばったり放浪の旅の中継基地としては最適であった。
「るるぶ富士山 '98〜'99」を立ち読みしていると、 富士山は下から見るだけでいいやと思っていたのだが、やはりチャレンジしてみようかな という気になってきた。
とにかく五合目まで登れば、雲の上に出るかもしれないという淡い期待もある。 そこから先は歩いて登山だが、それは天気次第だ。
五合目までのルートにはマイカーかバスか車だ。(歩いて登る強者もあるが)

金を使わない貧乏旅行であることを考えると、車で来たなら車で登るのが安くつきそうだ。 富士山のまわりに無料有料ふくめて色々と登山道路があるが、何せ 軽自動車で登りきれるかどうかも怪しいので、 地図を見てエンジンを休ませられる駐車場が多く、比較的なだらかそうに見える 「富士スバルライン」を選ぶことにした。

22:10
本屋でほたるの光が流れてきたので、慌てて本を買って出る。
風穴で手を怪我してしまったところが痛い。コンビニで明日の朝食とばんそうこうを 買い物しながら考えた。
富士スバルラインって平日でも混むのだろうか。
だとしたら、今夜中に料金所をくぐって五合目まで登るという手もある。 軽だから、登り道で渋滞されるよりは、空いている夜間にマイペースで登れないものか。
一日運転してきて少々眠いが、トライしてみる。

再びカーナビに「小御岳神社」 富士スバルラインの最終目的地。五合目にある。 を設定、一路料金所をめざすことにする。

22:20
ところが、どうもカーナビの推奨ルートが風変わりである。素直にスバルラインの入口から 登らないで、一般道を途中まで登ってそこからスバルラインに合流するようなコースである。

ひょっとして、料金所をバイパスして、お金を払わないで入れるかも...

よこしまな期待を抱きつつ、上り坂に入る。途端に車に負荷がかかるのが分かる。ローギアに入れても 40km/hしか出ない。おいおい、本当にこんなので五合目まで登れるのか?

走りながら、デジカメからパソコンにデータの吸い上げをしようと思い停車。
ヘッドライトを消すと、私は息を呑んだ。に 背中をつかまれているような感覚である。音も光もここには一切ない。 だいたいマンションを5分前に見てから、建物らしい建物がないのだ。 夕方の樹海の続きをみた気がして、あわてて車を進める。

22:45
ほどなくスバルラインに出た。期待は外れ、料金所に行き当たった。 残念ながら22:00で入口は閉鎖されているようだ。 何気なく料金所に向かってシャッターを切ったら、左の写真のような奇怪な写真になった。
夜の料金所 昼間の料金所
深夜の料金所入口。
あえて説明は避ける。 [拡大する]
昼間の料金所入口。

こりゃそうそうに引き返したほうがよさそうだと、寝るところを探して坂を下ることにした。

ドライブイン (昼間撮影)
ドライブインの自動販売機にて
23:00
さてと、明日も早い。どこに車を泊めて寝たものか。
だいたい、この車には外からの光をさえぎるものがない。フィルムを貼ったヤンキー仕様車でも なければ、カーテンも無い。夜でもまぶしい所はだめだ。
料金所から下ること5分、右上写真のようなドライブイン (ただし朝撮影) があった。あり余った土地に駐車場があるが、 そんなに街路灯がたくさんあるわけでもない。
決まりである。
ずっと雨が降っているので、右上の写真のようにドライブインの建物の軒下にバックで突っ込み、後ろのハッチをあけて車内に布団を敷く。自動販売機の前に止めるのがミソである。貴重なバッテリーを消費してルームライトを点灯しなくても、自動販売機の明かりで代用でき、しかも買いたきゃドリンクも買える、というわけである。
しかし、大雨である。ちょっと油断すると、一番水分を嫌うフトンに雨がしたたる。そうなると干すこともできないし、カビが生えてもおかしくない。
 
24:00
というわけで、苦労してフトンを敷き、車を移動。さすがにここに泊めては翌朝営業妨害になりかねないし、明るすぎる。第2駐車場とおぼしき所に移動すると、まさに漆黒の闇である。
狭い車の中で、寝ぼけながら写真を撮って就寝。

が、どうも風が強くて、文字通り軽い車はグラグラと揺れて寝られない。それもそのはず、おりしも台風8号は中部地方に上陸しつつあった。

後部座席で寝ている状態 (頭) 後部座席で寝ている状態 (足)