98/9/23(水) 第3日 長野市松代町の巻

真田宝物館
真田邸。[拡大する]
9:30
むくりと起き上がると、巨大な仏壇が立っていた。
仰天してここは実家かと思い、すぐに長野市松代町の親戚宅であることを 理解した。 子供の頃、たしかに実家で仏壇のとなりで寝ていて、金しばりにあったクチなので、 昨日寝床はここだよと言われて答えにつまったのである。

2F建て庭つきの立派な家に いとこと伯母と祖母が住んでいる。 妻から見ていとこであり伯母であり祖母なのだが、ややこしくてしょうがないので省略する。
「おはようございます」「あら、若いモンにしちゃ早起きねえ」
さすがに伯母祖母コンビは早起きである。 いとこは宵っぱりで、かつ朝は使い物にならない人種である。

さて、今日の日程である。
昨日から今朝にかけて、いとこ伯母祖母とそれぞれ興味嗜好のちがう皆さんから 弾丸のようにレクチャーとサジェスチョンとああ私ももう一度行きたいわあという 羨望の眼差しを受けた結果をまとめると、
松代は

という具合である。したがって私のプランは、午前中に持ちこんだ「ほうとう」を ぐつぐつと煮こんでいただき、その間に観光を済ませて、昼食としておいしくいただき、 午後には松代脱出、野沢温泉など他の温泉地を目指そうというものであった。

10:40
親戚宅出発。
主な史跡について「うち出て左曲がってスーパーの前を左曲がって右曲がってほいさっさ」と 説明は受けたのだが、ごめんなさい親戚の皆さん、全然理解できませんでした。 やはりカーナビの旅には、地元の観光地図を入手して、カーナビ画面上の地図と見比べながら 進むのがあっているようである。それをどこで手に入れるか。まず駅だろう。
10:45
というわけで、長野電鉄・松代駅着。
駅員さんに聞くと、確かに観光地図はあるが「真田邸」で配布しているとのこと。
10:55
竹風堂の前を通過。ここの栗おこわは最高の味である。
matsumap.jpg (265505 バイト)11:00
真田邸着。松代駅から徒歩4分、車ならすぐである。大型バスが停められる駐車場もあり、 いかにも松代観光の拠点といった風である。
地図も入手できた。なるほど、これなら分かりやすい。車で運転するときアテにならない観光地図も中にはあるが、これは信頼できそうである。

さて、冒頭の写真にある真田宝物館である。ここで500円出して入場券を買うと、 隣の真田邸松代藩文武学校にも同じ券で入ることができる。いずれも松代藩真田家にまつわる史跡 (しかも国の指定文化財。宝物館を除く) なので、興味のある方はどうぞ。
11:30
松代城跡。有名な川中島の合戦のときに武田信玄の本陣として使われたものである。 一度取り壊されたものを現在復旧作業を行っている。多分おなじ地図を見て多くの車が見物に やって来るのであるが、真新しい石垣に囲まれてブルドーザーが土を掘り返している、一種異様な 光景をみてすぐに帰っていくようである。
11:40
日本電信発祥遺跡に着いた。鐘楼のような建物がある他には何もない。
隣にNTTの交換所があり、そちらばかりが目立っているので、本当にここが発祥の地だと分かるまでずいぶんかかった。 鐘楼にはいる門に張り紙がある。これによると、ここには電信電話の歴史を示す展示があったが、 象山記念館に吸収合併されたらしい。
商売柄だからというわけではないが、メカものに目がない私は、わくわくと記念館を目指す。
象山の電信機[拡大する]
12:30
象山記念館
佐久間象山という人は東洋のエジソンか、レオナルド=ダ=ビンチみたいな人である。 1811年(文化8年)に生まれ、独学で日本に無かった電信機をはじめとして写真機、望遠鏡、 火薬などを作り、書画はかけるわペリー来航を予見するわで多才な人物のようだ。
電信機の実験で、最初に送信した言葉が「サクマゾウザン」だということで、本当ならば 自己主張も強いナイスガイのようだ。
展示されている電信機は、なんと今でも動く。
箱の上の円盤にアイウエオカキ...と字が書いてあり、 送りたい字を針のところに合わせて1文字ずつ送信するようになっている。

 
電話の移り変わり 古い交換機
↑歴代の電話。[拡大]

→電話の交換機 (旧型)。
左がA形自動交換機、右がクロスバ交換機。

[くわしく見る]

12:35
一通り象山の発明品を見たあと、順路の途中から突然 電信電話の展示になっている。 現在に至るまでの歴代の電話の数々、そして交換機の見本まである。 現在はD70などの名前で知られるディジタル交換機が使われているが、その前は写真のようないかにも機械的な交換機が使われていた。
交換機については、特に念をいれて拡大写真をたくさん用意したので、ご覧いただきたい。[くわしく見る]

ほかに象山の生涯を説明した 10分程度のビデオがあり、学研が制作していてなかなかよく出来ている。 時間があれば最後まで観ると興味倍増である。
あえてこの象山記念館に難を言えば、部屋をもう少し明るくして、展示の仕方に気を使ってほしい。 なんとなく、狭くて明かりの足りない部屋に押し込まれているように見える。
技術大好き人間な方にはたまらない展示品だけに、もったいない。

ほうとう14:00
次の史跡に進もうとしたところで、電話が入った。
親戚宅からだった。昼飯ができたとの知らせに、いそいそと戻る。
さあ本邦初公開、これが山梨名産「ほうとう」。 山梨ワインの巻にあるように、ワインのついでに どうしても食いたくて買ってきたやつである。
写真左下にずいぶん平たく寝そべっているのが 麺である。最初に伯母が真空パックの麺を見てずいぶん細身だと言っていたが、水分を吸ったら この通り。かぼちゃを大量に入れて煮こむと実においしい。