理系人間に勧める、「一歩豊かなおうどん講座」

うどんのダシと具編


筆者としては、これが難しい。100人いたら100人の味がありますし、その 最大公約数なんて文字に出来るもんじゃない。そこで開き直ってしまいましょう。 「さぬきうどんのだしと具」の禁じ手‥‥‥はい、反対側から書いてみますね。

ダシはしょうゆを惜しめ、だし材料を惜しむな。

‥‥‥しょうゆは素晴らしい調味料であるが故に、ついつい使いすぎる傾向が ありますが、あえて分量を押さえて使ってみましょう。 うどんとダシ汁とのバランスは、案外優しいところにあるものです。 そして深みを増す働きをするのは、良質なカツオぶしや昆布、煮干など。 「こんなに使っていいの?」というぐらいに入れて、引き上げるときには潔く。 ダシ材料入れたままグツグツ煮る、というのは愚の骨頂です。

時間を惜しめ、手間を惜しむな。

‥‥‥使う材料はあらかじめ用意し計量、作業順も並べて置くぐらいに。 加熱の時間は最低限に。 かけうどんダシは「材料どうしを馴染ませる為に、やむを得ず沸騰させるだけ」 釜上げ/ザルダシは「必要な濃度を得るため、しかたなく煮る」という感覚で。

具は絶対に、麺とダシに勝ってはいけない。

美味しい具は、美味しいうどんを引き立てます。しかしその逆はありません。 うどんはそれぐらいに繊細なものです。それに合わせた繊細なダシをも引き立 てるような具と調理法を心がけてください。

薬味を惜しむな。

ネギ、ちょっと。ショウガもちょっと。胡麻もちょっと。七味も欲しい。 少しずついろんなものが欲しいものですが、それを集める手間を惜しまないで。
上の条件を全て充たすというのは、ちょっと大変です。しかし頑張っただけ、 食卓が豊かになることだけは確かです。

参考までに、「山田家」が店で出している具材の一部を紹介しましょう。

わかめうどん :わかめ、なると薄切り、ねぎ、天かす     かけだし
天ぷらうどん :天ぷら海老、菊菜、しょうが、ねぎ      かけだし
釜ぶっかけ  :刻みのり ねぎ しょうが ごま 大根おろし 釜上げ用だし
ざるうどん  :刻みのり ねぎ しょうが ごま     同上(冷たいもの)
しっぽくうどん:かけだしで、大根・人参・里芋・鶏肉を煮たものをかける

ごちゃごちゃ書きましたが、鍋料理の最後に入れるうどんも美味しいものです。 いままでのご案内通りだとすると、「禁じ手」になってしまってますが。

さぬきうどんは美味しい、と言われますが、それ以上に「うどん」は懐の深い ものなのかも知れませんね。


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