全東京写真連盟の 2月撮影会で、ひさしぶりに銀賞を取りました。撮影条件が良くない時に色を出すのは本当に大変なんですよって話。

受賞作品を手っ取りばやく貼っておきます。

全東京写真連盟 名主の滝公園撮影会 銀賞「Myself」

全東京写真連盟: 名主の滝撮影会: マイセルフ

Model: 菊池 ユキ

とにかく暗い、カメラ泣かせの名主の滝公園

名主の滝公園は JR 王子駅から徒歩 15分ぐらいのところにある公園です。フォトグラファー的には面白いけど「泣かせ」なテクニカルコースなんですよね。

都内の公園というと、どんなイメージを思い浮かべますか。フラットな立地、ド真ん中に草っぱらと周りに樹木少々、昼間は太陽がさんさんと降りそそぎお日柄もよく…。

この公園は真逆です。
「滝」だけに、面積の割に高低差があって、小さいけど滝と川があって、敷地全体にで覆われていて、昼間も暗いイメージ。

撮った写真の露出感度を表す ISO 値をあとで見てみましたが、ISO 200 以上の写真が半数にのぼりました。撮影時間帯は 10:50-15:00 で、文句なしの日中。開放値 F1.4 や F2.8 の明るいレンズを使っていてもこれなので、相当暗いってことです。

さらに雨!

当日は、一時的にが降りました。 :mrgreen:

雨の場合、透明な傘をさしてモデルに立ってもらうこともありますが、ポージングも限られてしまうので、屋根のあるあずまやだったり、休憩所に退避して撮ることになります。

フォトグラファーも、ニコンかキャノンのハイエンド機で防滴仕様のボディが多いのと、さらにビニールを上にかぶせて雨対策しますが、そりゃ数十万の機材をあんまり湿気にさらしたくないので、結局、全員がせまい屋根の下に入って異様な人口密度になっていました。

ところがストロビスト写真が入賞してしまった

受賞作品は、そんなシチュエーションで撮られた写真です。

唐突に格言ですが、ポートレートは肌色が命!

天気のいい時はレフ板で光をおこしますが、薄っ暗いとそうもいきません。

露出値をレタッチの際に上げて明るくすれば、最近の一眼は高感度特性が高いからいいじゃん、という気もします。しかし、あとからレタッチしたものと、撮ったままの状態で適切に光が当たっていて、適正露出になっている写真とは、やっぱり雲泥の差があるのです。

そこでフォトグラファーによってはストロボを当てにいきますが、全東京写真連盟の入賞作品をみると、ストロボを使った作品は入賞しない傾向があります。どうしても自然光に対して、わざとらしい印象を与えてしまうからです。大げさな三脚や一脚は使えないので、たいてい正面に近い角度から照射することになり、仕方がないとはいえ。

この場所、左から自然光が入るため、ある程度の明るさは確保できますが、右側は真っ暗。ノーフラッシュで撮ると、あらゆる場所に影ができます。

ストロボ無し、あり。ぜんぜん違うでしょ?

ストロボなし 全東京写真連盟: 名主の滝撮影会: マイセルフ

止むに止まれずストロボを炊いているのですが、ほぼ目の前から直射という、一番あり得ない条件で、片手で向きを調節して撮っています。左手でストロボ、右手でカメラという、いわゆる千手観音。よく賞に入ったな…。

2015年7月入選「風・吹きわたる」

なお今までの応募作品で、ストロボを焚いて受賞した作品はわずか 2枚しかありません。
1枚目はこういう写真でした。

風・吹きわたる

もはや、炊きゃ賞に入るほど生やさしいフォトコンテストでもないのですが、今回はモデル的にも調子がノっているタイミングの時を、テーマにそって光の具合でうまく捉えられたんじゃないかなと思います。