NHK スペシャル「ミラクル ボディー」で、200m 自由形などの世界記録保持者マイケル・フェルプスの泳ぎを見ました。何となめらかで豪快でしなやかなドルフィンキックなんだ、と。

水泳レッスンでもドルフィンのうまい人はいます。それでも、たいていの人は下半身メインでウネウネ動いていることが多く、上半身は割と板っぽいというか、直線的につられて動く感じが多いですね。マイケルの場合は、胸の下からウェスト、もも、足の先まで一連のウェーブになっていて、見ているものを黙ってうならせる動きをしていました。

イルカの映像が間に挟まれていましたが、上下動の大きさは本物(?) 以上です。

またレッスンだと、飛び込んでから少しでも早く浮上してきて、早く手足をかき始めろ、その方がタイムが稼げると教わっていますが、彼の場合は 5.3秒間潜水し、10回蹴ってから浮上してくるとのこと。水中では当然まったく手をかいておらず、泡も立っていません。なのに急いで浮上する選手より頭ひとつ速いわけですから…この深く大きなドルフィンをモノにした選手のみに許される戦略でしょうね。

手の動きについても、上級者の泳ぎは S 字ストローク (上下から見ると、手の先が S 字を書いているように見える。多くの水をかけるので、まっすぐかくより速いとされる) とされてきました。マイケル・フェルプスはそれを直線的にかく I 字ストロークに変えているし、他の日本人選手にも体格差を補うため、水上で棒のようにストレートに腕を伸ばしたままかくストロークが採り入れられているようです。

泳法については、正直一定周期で流行が変わっているんじゃないかと思いますね。平泳ぎなども体格や関節の可動域によって、人によって向いている泳ぎ方が顕著に違いますし、世界のトップスイマーが I字だからオレもワタシも…というのも違う気がしました。

別のニュースで、水平舵がドルフィンのような動き (*1) をして前に進む船の話題が取り上げられていましたし、効率のいいドルフィンに注目が集まりそうです。

カラダが泳ぎたくなってくる話題でした 🙂

(*1) … あくまでヒレや船体は固形で、動きがドルフィン