Bui: ビュイ (レブラ) のネッツペックコーティングは赤外線にしか効かないのか


ビュイの通販サイトを検索してみると、だいたい判で押したように特許第3005607号と書いてあります。この特許を調べてみたら、気になる点が出てきました。

特許として登録されているのは、赤外線対策のレンズだった

特開2000-047147 眼鏡用レンズ (特許3005607) ((平成10年7月31日出願、平成11年11月26日登録))

【課題】 赤外線の入射を有効に抑えることができ、しかも視認性の高い眼鏡用レンズを提供する。

【解決手段】 (略) 光の干渉作用に起因して形成された雲膜領域と呼ばれる空間4で赤外線を遮断することができるため、目に赤外線が到達をするのを抑制して目のダメージを軽減させることができる。
また、目視に必要な可視光は、透過されるため眼鏡としての機能を低下させることはない。

ちょっと驚くのは、この特許ではネッツペックコーティングについてではありますが、それは赤外線の入射を有効に抑えるためであって、可視光線に対しては効果も悪影響もないとしているところです。

じゃあ光のまぶしさを軽減させる効果はないじゃん、という気もしますが、それは保留にして、ビュイを見分けるドットの形状はどうでしょうか。

実施形態としては 2パターン書かれており、実施形態1 は六角形状、実施形態2 は円形状、となっています。
ただこれと違っていても、六角だろうが円形だろうが四角だろうが、

【請求項1】 眼鏡に装着されるレンズ本体の眼鏡の内側に位置するレンズ表面に、半反射半透過性を有する赤外線吸収性薄膜をドット状に多数配設したことを特徴とする眼鏡用レンズ。

ドットには違いないので、前回紹介した「ビュイ1」もこの特許でカバーされると思われます。

「ビュイ」のオリジナルは株式会社サクサンの「レブラ」らしい

もう一つ注目すべきは、この特許、青山眼鏡株式会社と思いきや、出願人は株式会社サクサンとなっています。サクサンの公式サイトを見ると、ビュイではなく「Revra: レブラ」「レブラレンズ」という名称でこのレンズについてちゃんと紹介されています。サクサンの方が特許を取得しているのは確実ですが、サクサンと青山眼鏡の正確な関係は分かりませんでした。

「赤外線」じゃないバージョンの公開特許があった

今度は、その株式会社サクサンが出願した特許を他に調べてみると、似たようなものがもう一つ出願されていました。

特開2000-047147 眼鏡用レンズ及びその製造方法 ((平成13年1月17日出願、平成14年7月31日公開))

【課題】 高い光の透過性を備えながら、ドット状薄膜による方向性を持たない眼鏡用レンズを提供する。

【解決手段】 眼鏡フレームに装着されるレンズ本体2の表面に、高い光透過性を有する多数のドット状薄膜3,4を、方向性が生じないように均一な密度で蒸着させたことにより、過剰な入射光が雲膜空間7で遮断されて目が保護される。 (略)

特許第3005607号が「赤外線」のオンパレードなのに対して、こちらは単に一般的に「光」としています。以下はそう書いてあるのではなく意訳ですが、従来技術として要するに「サングラス」がすでに存在している。色つきレンズでは青なら青みがかった色になってしまい、目の疲れを誘発してしまうと。この辺、いわゆるビュイのよくある説明のように思えます。

もっとも重要な点は、これが公開特許公報であって、登録された特許ではないということです。つまり出願して 1年 6ヶ月後に公開されたというだけで、特許権は発生していないのです。

何かねじれているネッツペックコーティング出願のナゾ

これらの特許出願を見ているといくつか疑問があります。

  • そもそも、赤外線は目にダメージを与えるのか? (紫外線なら白内障の原因になりえますが、なぜ赤外線なのかがナゾ)
  • 最初に赤外線にのみ効果あり、可視光には効果がないとしておいて、2年 5ヶ月も経って、可視光も含む特許を出願したのはなぜか?
  • 特許第3005607号が特許として登録されたのに、特開2000-047147 が登録されていないのはなぜか?

ここから先は憶測の範囲を出ませんが、特許には新規性が必要なため、奇をてらって赤外線に対して効果があるとして出願したものの、よく考えたら赤外線防いでもあまり効果は薄いじゃないか。光を「さえぎる」ことには変わりがないので、可視光線にも効果がある「サングラスよりすごい眼鏡」として売った方が営業的に良さそうだ。他社に出願されても困るし、新規性があると認められなくても良いから出願しておこう。

…..とでも思ったのでしょうか。

少なくとも、通販サイトでただ商品にハクをつけるために「特許第○○号」と書いてしまう前に、そこにどんなことが書いてあるのか調べてからにするべきでしょう。


2 Comments

  1. 日食を見るためのグラスの機能のひとつは、赤外線をカットすることだそうです。
    太陽からは強烈な赤外線が降り注いでいるので直に見るとこの赤外線によりダメージを受ける、ということです。
    しかし、家庭内にいる限りはダメージを受けるほどの赤外線はないはずです。
    赤外線をカットすることに意味がないわけではないですが、b.u.iにおける、画面を見るときの効果としては限りなく薄い、ということですね。

  2. なるほど、赤外線も強力なものは良くないのですね。

    PC の画面を見るときは、まぶしいなら輝度を下げても効果は同じでは、と思ってしまいます。

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