HSDPA ではカバーしきれない「送信」方向の通信速度を向上するため、各社ともしのぎを削っていますが、11月6日に、イーモバイルが HSUPA 対応の端末を発表しました。

D21HW – LC シリーズの長所短所を完全に克服

D21HW は、下り 7.2Mbps、上り 1.4Mbps を実現する USB 接続タイプのデータ通信端末です。型番の HW は Huawei Technologies (華為技術 … ファーウェイ) という中国の会社が作っている端末の略称です。

HW シリーズで USB タイプのものといえば D01HW, D02HW があります。Longcheer Technology 製の D11LC, D12LC と比べると、

  • 小判型で大きめ
  • USB ケーブルが必要でノート PC の側面に直差しできない

と、もう一つ物欲をそそられないものでした。ところが、今回の HSUPA 機では完全に LongCheer 機のお株を奪う USB ポート直差しスティックタイプ。しかも、他社のアダプタを経由しないと向きを変えられない LC 製の弱点を克服する、360度回転するコネクタ装備です。回転ついでに、コネクタを本体部分に回して格納でき、キャップが要らない、というおまけつきです。

D21LC より薄く長い

イーモバイルの USB スティックタイプの大きさを比較してみました。

機種 (mm) 奥行き (mm) 高さ (mm) 体積 (cc) 重さ (g) 下り速度 上り速度 USB
D11LC 26.6 80.2 11.8 25.1 29 3.6Mbps 384Kbps USB 1.1
D12LC 27.0 85.0 13.2 30.3 30 7.2Mbps 384Kbps USB 2.0
D21LC 27.0 85.0 13.2 30.3 30 7.2Mbps 1.4Mbps USB 2.0
D21HW 28.0 92.0 10.0 25.7 25 7.2Mbps 1.4Mbps USB 2.0

サイズ的は幅 28.0mm x 奥行き 92.0 x 高さ 10.0mm で、D12LC や D21LC に比較して薄いが長いことがわかります。長いまま横に出してしまうと邪魔になってしまうところを、USB コネクタを軸に立てられるようにした…というよりは、アンテナ部は高い方が望ましいため、細長い形状にしたとも受け取れます。

D21LC

D21LC も下り 7.2Mbps、上り 1.4Mbps の HSUPA 対応です。Longcheer Technology 製。D12LC とケースは同一、重さも同一です。D21HW の登場で、イーモバイル用 USB 接続直差しタイプの首位の座を奪われてしまうと思います。

microSD スロットが付属しているのも、最近の Eee PC 901-X などミニノート PC には SD メモリカードスロットがついているので無用の長物ですし、なにより D11LC で「ゼロなのにインストールされる」ユーティリティの品質が低いことを考えると、HSUPA 機になっても慎重になってしまいます。

Longcheer は最近、D12LC といい D21LC といいブラック一色を初めにリリースして、売れ行きを見ながら他の色を出してきますが、だけというのはどうなんですかは。はっきり言ってイーモバイルを新規契約することを決めた後、最終的に D11LC に決めたのは紫色があったからです。 🙂 それが、だんだんシャンパンゴールドだの、少しずつ日本人の好みを外してきているように思えます。

HSUPA 代としては高くないが、35,000円を超えると競争力が下がる

あくまでイーモバイル公式サイト上の値段を比べてみると…

機種 新にねん ベーシック
(通常価格)
D02HW 5,980 29,980
D11LC 980 24,980
D12LC 9,980 33,980
D21LC, D21HW 12,980 36,980

HSUPA 端末は、7.2Mbps HSDPA 機である D12LC と比べると 3,000円増しで、「HSUPA 代」としてはさほど高い感じはしません。しかし、HSDPA 機なので単純比較はできないながら、35,000円で通信料 150時間分を先払い、という b-mobile3G hours150 という製品もあり、2台目携帯 / 通信専用に使いたいユーザーの心理としては、端末の通常価格が 35,000円を超えると買わないように思います。