もともと目指していたのは Hyper-V と VMware Server の共存環境でしたが、ハイパーバイザー本体が USB メモリにも収まるという点にやたらとひかれて、VMware ESXi をまず試してみることにしました。

4GB USB メモリ WIZME

ESXi, VMware Server, Hyper-V の違い

ESXi は、VMware Server と同じ VMware 社の技術ですが、以下のような違いがあります。

  • VMware Server … エミュレーション型。土台となるホスト OS が必要。
  • ESXi … ハイパーバイザー型。ホスト OS を必要としない。

ESXi vs. Hyper-V だと、どちらも同じハイパーバイザー型でオーバーヘッドが少なく、同じスペックの仮想マシンでもより高速に動作する、という共通点がありますが、以下のような違いがあります。

Hyper-V

ゲスト OS Windows 系、Linux 系 OS
仮想化技術 Hyper-V
ホスト OS Windows Server 2008 R2 (64bit)
or Hyper-V Server
CPU Core 2 Duo E6700
  • 有償の Windows Server 2008 をあらかじめインストールしておくか、無償の Hyper-V Server をインストールする必要がある
  • Hyper-V Server の場合、少なくともハードディスク空き領域が 10GB 以上必要

VMware ESXi

ゲスト OS Windows 系、Linux 系 OS
仮想化技術 VMware ESXi
ホスト OS なし
CPU Core 2 Duo E6700
  • OS を必要としない。わずか 32MB 程度しかないため、USB メモリにインストールして、USB メモリブートできる
  • デバイスドライバの数が少なく、動作するハードが極端に限られる

今どき動作するハードを選ぶ一見さんお断り仮想化テクノロジーなんて、初期の Linux みたいで漢仕様じゃないですか。 🙂

それでいて、USB メモリに入れ起動できるため、既存の Windows Server 2008 R2 環境に手を触れずに、自分のハードが ESXi 対応かどうかを試したうえで、問題がなさそうなら内蔵 HDD にインストールし、本格的に運用開始することもできるようです。

気に入った。じゃあやってみましょう。

USB メモリによるブート

USB メモリで VMware ESXi をブートするには、簡単にいうと

  • VMware サイトから ESXi の iso イメージを無償ダウンロード
  • iso を CD に焼くか、Daemon Tools などでマウント
  • tgz ファイルを取り出す
  • dd ファイルだけを展開して取り出す
  • Windows の場合、DD for Windows というツールを使って USB メモリにコピー

という手順が必要になります。

dd イメージは .tgz ファイルに含まれるのですが、ESXi 3.5ESXi 4.0 の動作報告とがあり、tgz → dd ファイルを取り出す流れは同じですが、場所が違う模様。

3.5 4.0
install.tgz image.tgz
usr/lib/vmware/installer/VMware-VMvisor-big-3.5*.dd.bz2 usr/lib/vmware/installer/VMware-VMvisor-big-164009-x86_64.dd.bz2
VMware-VMvisor-big-3.5.0_Update_2-103909.i386.dd VMware-VMvisor-big-164009-x86_64.dd

DD for Windows で USB メモリにコピーして、確かに内容が正しくコピーできているか照合してみます。

DD for Windows

OK、できました。

マザーボード P5W DH Deluxe の BIOS を USB からブートするように設定し、さくりと起動する…かと思いきや、早速トラブルが。

つづく。