X-Sports に服装と礼儀を問うほうが間違っている – スノーボーダーの國母選手問題


バンクーバー五輪で、スノーボーダーの國母選手に腰パンだ鼻ピアスだといった服装の乱れや、それを指摘されたときの言動が問題になっていますが、スポーツの特性も考慮せずに何言ってるんだ、というお話。

そもそも、同じ冬季五輪の競技種目だからといって、アルペンスキーやフィギュアスケートといった、割とスタンダードな種目と、スノーボードに同じクライテリアを当てはめるところから不幸が始まっている気がしますね。

スノーボード、スケートボード、インラインスケート、BMX といった種目は、無理矢理まとめると X-Sports (エクストリームスポーツ) というカテゴリに属します。変わり種でいくと、ジャンピングスティック Flybar みたいなものも含まれると思います。

どれも怪我をする危険性が他のスポーツに比べて高い過激な競技です。猫のように柔軟な身体能力と、尋常ではない思い切りとが必要とされます。そのためプレイヤーは比較的若年齢層が多く、いわゆる社会通念上の「礼儀」といった部分は未完成で、逆に自由かつ攻めの姿勢みたいなものが服装や言動に現れるのは確かだと思います。

スポーツの特性が、プレイヤーの「人」を選ぶ、と言い換えてもいいでしょう。

X-Sports は得てしてそういうもんなんですよ、という側面を無視して、腰パンだから全日本スキー連盟が國母選手の棄権を申し入れたり、川端達夫文部科学相が「国を代表する自覚が欠如」していると言ってみたり、自衛官の父親が出てきて「オリンピックに出る資格はない」と言ってみたり、モンスターペアレンツにもほどがあると。

タイミングも折悪しく、朝青龍の引退問題があった直後のことなので、余計に国民感情的にセンシティブになっている面は否めません。が、相撲は由緒ある国技であり、横綱には品格が伴うもので、それが美学だと思うし、スノーボードという競技の美学というなら、それは相撲と対極に位置するものだと感じます。

國母選手本人が言うように、自分のスタイルを貫くのがこのスポーツの場合正しいと思うし、デーモン小暮閣下が早稲田大学の卒業式で、これが悪魔の正装だと押し通したスピリッツに通じるものがあり。得てして反体制的なものの象徴であるはずのロックが、一般的なオーディエンスにも市民権を得られていったように、長い時間をかけていずれ浸透する歌舞伎役者の一人なのだと思います。

自分の年齢を顧みず、いちおう上記の X-Sports 3つまでやったことがある人目線からの意見でした。


2 Comments

  1. ひょんな事からお伺いしました。
    國母考についてコメントさせて下さい。

    X-Sports の特性からすれば、國母選手の服装は「乱れている」のではなく「あれで普通」なんだというのはよく理解出来ます。
    しかしそれは日本選手団のあの制服の着こなしにまで適用される話でしょうか。
    個性を表す場と、抑える場はあると思います。そのボーダーラインをはき違えたのは、やはり國母選手の未熟さと言わざるをえないのでは。。。

    それと、もう一つ。制服であるからきちんとすると言うだけでなく、服にはそれ相応の着方があるという事も言えると思うのです。

    太いジーンズなどは、腰履きケツ履きにしてこそキマるのでしょうが、スーツ(ジャケット&パンツ)をあのように着るのがファッションですか。
    年端のいかない女子の着る派手なピンクのミニスカ丈の浴衣は見てられないですよね。
    あれがアウトローなロックスタイル同様スタンダードになるとお思いにはならないでしょう。

    • コメントありがとうございます。

      着こなしと、服装ボーダーラインの具体的な線引きは、すごく参考になったんですが、私からのコメントは差し控えます。

      このエントリで一番強調したかったことは、まずスポーツごとのバリエーションと未完成さを考慮してあげるべきだ、ということ。

      また、そこにプレイヤーでない人が試合も始まらないうちから是非論を唱えるのに、貴重な電波や時間を使うのは結論出ないし、もったいないということ。

      あまつさえ、競技にチャレンジする機会まで取り上げようとするのは行き過ぎだろう、ということです。

      逆に國母選手は、スタイルというなら、他人と親がどう言おうが曲げずに貫けばいい話だし、有無を言わせない結果を出せば良いことだと思います。

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