京王線地下化見学、夜が明けてきて大詰めです。すっかり地上の仮設線路が撤去されましたが、最後にどうやって地下と接続されるのでしょうか。

仮設線路も鉄骨も撤去、そして…

5時15分。すっかり明るくなると、柴崎6号踏切の部分だけ横断できるようにしたまま、下の空間が空きました。左側 (西) には新しい地下化国領駅があり、そこから右側 (東) に向かって、地上に向かって上り坂が始まるのがまさにここなわけです。

クレーンで移動していた鉄骨は大半が運び去られましたが、2本だけは即席の横断橋と化した踏切から転落するのを防止するためのカベ (?) として積まれます。

ん…? ちょっと待った。

鉄骨の背後で、夜が明けるにつれて東の柴崎 / 新宿方向に何か見えてきました。あれはまさか…….!

圧倒的マンパワーで「祭り」総仕上げ

5時23分。見えてきたのは、地下で線路の敷設が終わっていたスロープと、彼方には今まで見たこともない密度の工事関係者でした。

画像をクリック / タップして拡大してみてください。架線を張る、線路をつなげる担当者が分担しつつ作業を続けているのが分かります。これだけの人数に動いてもらう計画作るほうも、呆れるほどの複雑さだと思います。

結局、地上の線路が特殊な装置で地下に沈むとかギミックがあるわけではなく、整然と働くマンパワーによって線路は再び、つながるのでした。

このあと、仁礼本人が力尽きて寝てしまったのですが、10時ごろ起きたらこの通り、京王線がスロープを普通に走っていました。

あれだけ大勢いた工事関係者もサクッと撤収ずみ。

整然とした作業に職人気質を見た!

「海峡」という名前の映画があります。青函トンネルを開通させる話なんですが、函館と青森からトンネルを南北に掘り進み、数々の困難に見舞われながら、最後の発破で本坑がついに開通し、高倉健が力強くガッツポーズするシーンで有名。

京王線地下化工事は、あんなに長距離ではないといっても柴崎 – 西調布間 2.8km の距離を 9年かけて掘り、地下駅を整備し、大詰めがこの日本中の工事関係者が集まる一大イベントでした。

地上の仮設線路の撤去、線路の地下への切り替え、架線の張り直しを超パラレル処理で進めているわけで、土壇場で建築限界車でテストしたら幅が狭くてスロープを電車が通れないとか、色んなトラブルがあってもおかしくなさそうでしたが、有言実行で本当に一晩で営業再開させてしまったのは、あっぱれという他ありません。

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