D800 の解像力をフルに引き出すには重い三脚が必要と言われていますが、実際 2kg の三脚ではどうなのか。ベルボン ジオ・カルマーニュ (Geo Carmagne) E645M でのカメラブレをテストしてみました。

三脚

推奨積載重量には収まっているように見えるが…

ベルボン ジオ・カルマーニュ E645M は、4段で全高 1376mm (エレベータなし)、エレベータを伸ばすと 1680mm にまで伸びる三脚です。D800 をこの上に載せた場合、

  • カメラ本体: ニコン D800 … 1,000g (バッテリー、SDメモリカード込み)
  • 望遠レンズ: AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRII … 1,540g

合計 2,540g になるわけですが、ベルボンのメーカー表記では推奨積載 4kg まで可能なはず。

推奨積載重量内であれば三脚も壊れず、カメラのブレは抑えられるように思いがちですが、実は色々な要因で微妙にブレが生じます。ミラーアップ時の衝撃、シャッター時の衝撃、果ては風や、近くを人が歩いただけでも三脚は揺れます。

ニコンカレッジの D800 講座に参加して指摘されたところによると、D800 には中版カメラ並みにしっかりした三脚が必要とされています。

三脚は、著書にも萩原先生自身が「三脚だけで 2.5kg 超え」+「雲台だけで 1kg 超え」が目安、と書かれていて、それだけ重い三脚でなければ、3620万画素の D800 のカメラブレを完全に防ぐことができない、と。

といっても…三脚が結局カメラブレを引き起こすかどうかは、カメラと三脚との組み合わせにもよるため、手持ちの機材で実際に確かめてみるしかないのが事実。重い三脚が要るって言うけどソレ本当なんですか! と。

測定方法

ナノクリ望遠レンズ装備で、200-300m 先の同じ景色をシャッタースピードを変えて撮影します。

  • カメラ本体: ニコン D800
  • レンズ: AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRII
  • 三脚: ベルボン Geo Carmagne E645M (2020g) + センターフックに 2kg 程度の重りを下げる
  • ISO: 100 に固定
  • 測光モード: マルチパターン測光
  • シャッタースピード: 1/1000~1/1秒まで 1段ずつ変化させながら 1枚ずつ撮影
  • 露出ディレイ: 3秒
  • TEST1 … マニュアルモードにして絞り値を F8 に固定。シャッタースピードのみ可変
  • TEST2 … シャッター優先オートにして、シャッタースピードを可変 (絞り値も自動的に変化)

2種類のモードで試したのは、一長一短あるからです。

TEST1 では常に絞り値が一定なので、小絞りボケによる回折現象の影響を避ける事ができますが、シャッタースピードを遅くすればするほど、露出が明るくなっていき、白トビが一定以上増えて超ハイキー状態になると、もはやブレているのか判別不能になります。

かといって ISO 値を変化させるとノイズが混じって見た目が変わるので、それもしたくないところ。

TEST2 では、明るさは一定に保たれますが、F11 以上は小絞りボケによる回折現象が起こり始めると言われているため、「シャッタースピード下げる」+「絞り値が自動的に上がる」ほど、ブレなのか回折現象なのか区別がつきにくくなります。

ということで、次回は結果編。
つづく。