ニコン D800 + 2kg の三脚、ベルボン ジオ・カルマーニュ (Geo Carmagne) E645M での三脚ブレテストの結果です。単純にオール・オア・ナッシングで揺れるか揺れないか、という単純な問題では無さそうです。

ベルボン E645M 雲台 PHD-65Q

実際のアップ画像を見てみよう

まあ正直、間違い探しレベルです。ニコン D800 で撮影した RAW 画像は 7360 × 4912 ピクセルですが、ディスプレイは 1920 x 1080 ピクセルに過ぎません。つまり縦横方向にそれぞれ 27% 程度の縮小画像を見ていることになりますが、この状態では違いは分かりません。View NX 2 などのアプリケーションで、等倍にズーム表示してようやく、あっプレているかな…というレベルのものです。

ドットを 1個ずつ追いかけると差分がある…というよりも、ある部分の特徴をつかむというか、悟りの境地に達すると違いが分かる世界ですね。 :mrgreen:

ブレがない状態 (OK) の例

D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F8 1/100sec EV0 ISO1600 WB晴天: 中央部拡大
D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F8 1/100sec EV0 ISO1600 WB晴天: 中央部拡大
とある建物の屋上にある突起物と、背後のビル (多分六本木ヒルズ) の拡大映像です。実際には 7360 x 4912 画素の RAW 画像から、合焦している約 240 x 180 画素の中央部分だけを切り出しています。

絵の中央にある「凸」型突起物の輪郭をよく覚えておいてください。

ブレがある状態 (NG) の例 – TEST1

D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F8 1/100sec EV0 ISO100 WB晴天: 中央部拡大
D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F8 1/100sec EV0 ISO100 WB晴天: 中央部拡大

右にブレているのがお分かりでしょうか。D800 の場合、絞り値 F8 では小絞りボケはほとんど発生しないはずなので、これは三脚がシャッターが開いている時間内に揺れた可能性が高いと考えられます。

ブレか小絞りボケか区別がつきにくい (NG) 例 – TEST2

D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F14 1/100sec EV0 ISO100 WB晴天: 中央部拡大 D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F16 1/80sec EV0 ISO100 WB晴天: 中央部拡大
D800: 70-200mm f/2.8G, 200mm F14 1/100sec, 1/80sec EV0 ISO100 WB晴天: 中央部拡大

左の写真は TEST1 と同じシャッタースピード 1/100秒で、画像全体にわずかにブレているように見えるのですが、F14 と非常に絞っている状態で、小絞りボケの可能性もあります。

軽い三脚が苦手なシャッタースピードは存在する

シャッタースピード全域にわたってこの三脚ではブレまくるというわけではなくて、一部のシャッタースピードでだけ三脚ブレが発生するようです。

  • TEST1 … 1/80, 1/100 ではカメラブレが認められる
  • TEST2 … 1/200 以下で広くカメラブレ or 小絞りボケが認められれる
シャッター速度 TEST1: マニュアル TEST2: シャッター優先
絞り値 結果 絞り値 結果
1/1000 – 1/250sec F8 OK F4.5 – F9

OK
1/200 OK F10 NG
1/160 OK F11 OK
1/125 OK F13 NG
1/100 NG F14 NG
1/80 NG F16 NG
1/60~1/8 OK F14 – F22 NG
1/6~1 白トビしすぎで測定不能

OK = カメラブレが視認できない
NG = カメラブレ or 小絞りボケが視認される

ヨドバシカメラでも聞いてみた

ヨドバシカメラ新宿西口店の店頭でも、一定スピードでだけ揺れるなんてことがあるのか聞いてみました。

店員「フィルムカメラで、この三脚で不都合を感じたことはないですが、一般にはあるシャッタースピードでだけ三脚が揺れることは確かにありますね。カメラと三脚の組み合わせによっても、そのスピードは違います。」

カメラが発生する振動の影響を、三脚が受けやすい共振周波数があるんでしょうねきっと。