幕張メッセで 10月に行われた CEATEC JAPAN 2008 を見てきました。日本でも 2009年から導入される予定の次世代通信方式の一つ、WiMAX ブースの盛り上がりはどうでしょうか。

そもそも WiMAX と UQ コミュニケーションズ株式会社って何?

WiMAX1 (ワイマックス) は、次世代通信技術の 1つです。

現在 NTT ドコモ、au KDDI、ソフトバンクモバイル、イーモバイルによって提供されている携帯電話 / データ通信ネットワークは 3G つまり第三世代で、規格上の通信速度は 3.5-7Mbps どまり、HSDPA の最大通信速度でも 14Mbps です。これより高速な通信技術 WiMAX を展開するための周波数 2.5GHz 帯の割り当てをめぐって、NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル 3社がそれぞれ中心になったジョイントベンチャー企業と、ウィルコムを加えた計 4社が激しい周波数争奪戦を繰り広げ、結果として KDDI を軸にした「ワイヤレスブロードバンド企画」と、ウィルコムが勝利しました。

最初ブースの上に掲げられている「UQ」のロゴを見ても最初何屋さんかよく分からなかったのですが、よく考えたら、ワイヤレスブロードバンド企画が 2008年3月1日に社名変更したのが UQ コミュニケーションズ株式会社というわけです。出資比率は KDDI が 32.26% で筆頭、社員も KDDI 由来の人が多いようです。

2009年の時点では首都圏でしか使えない UQ の WiMAX

いよいよ 2009年になると UQ の WiMAX が始まるわけですが、ネットワーク展開計画によると 2009年スタート時点では首都圏 (東京23区、横浜、川崎) のみで、2009年の後半に中部関西圏 (名古屋、大阪、京都、神戸)、となっています。

新しい通信ネットワークのサービス展開する順番としてはよくあるパターンなのですが、2010年中頃からは NTT ドコモの LTE サービス開始が予定されています。もたもたしていると、より高速な LTE に食われちゃうぞ、ということです。

データ通信専用、au の 3G ネットワークを置き換えるわけではない

UQ ブースの説明員の方に、一番疑問に思っていることを聞いてみました。

「au の 3G ネットワークって、今後は WiMAX に置き換えて移行していくんですか?」
「いえ、WiMAX はデータ通信専用で、au の通信ネットワークとは別に展開します。」

「えっ別なんですか?  両方サポートしているような製品も出ないんです?」
「そのようなニーズがあるかどうかを判断するのは端末メーカーさんですので…」

au 携帯でデータ通信に使用している EV-DO と、WiMAX 間のハンドオーバーに成功したという記事を何カ所かで見たので、私はてっきり、KDDI はデータ通信を WiMAX に置き換える気まんまんだとばかり思っていました。

国産メーカーが少ない WiMAX 機器の参考出品

まぁ確かに並んでいる機器をみると、イーモバイルの D11LC / D12LC のように PC の USB ポートに接続して使うタイプ、ExpressCard タイプ、UMPC / MID2 といったデータ通信系ばかりです。

しかし、日本の国産メーカーが少ないのが気になりますね。

  • USB / Express Card タイプ … Samsung (SCH-H130, SWT-H200K, SWC-U200, SWC-E100)
  • MID … Samsung (SPH-P9200), BenQ, Lenovo, Panasonic, Aigo

Samsung は韓国、Aigo は中国のメーカーです。日本のものは Panasonic しか見あたりませんでした。

KDDI ブースの一角でありながらここだけ異空間

紆余曲折あって iPhone 3G に乗り換えずにいる au ユーザーとしては、WiMAX に少なからず期待しています。しかし、まだサービス開始前で対象ユーザーも異なるとはいえ、お隣の KDDI ブースとあまりにも力の入りように差がありすぎる気がしました。

説明員から得られた情報としては別におかしくはないのですが、これから新しい通信ネットワークを広めていこうとする企業にしてはパッション (熱意) が足りないと思いました。私たちはプラットフォームを提供しているのであって、端末の仕様については関知しない、WiMAX はすでに Intel のバックアップを受け世界標準なのだという雰囲気を感じました。

LTE と WiMAX で揺れる KDDI?

しかし、KDDI はどうでしょうか。次世代通信方式で KDDI は LTE に合流するといった記事をよく見かけます。

またラストワンマイルを補うための固定版 WiMAX では最大 75Mbps (74.81Mbps) 出る WiMAX も、モバイル WiMAX では下り最大 37.4Mbps だったり、実効速度になると最大 20Mbps になったり、2010年に LTE を投入予定のドコモが実証実験で下り最大 250Mbps の通信をすでに実現していることを考えると、KDDI としては WiMAX のための 2.5GHz 帯獲得レースには勝利したものの、LTE と WiMAX それぞれどんな比重で投資していくかで揺れているのは確かだと思います。


  1. Worldwide Interoperability for Microwave Access []
  2. Intel が出資しているので、呼び名も MID になると思われる。 []