司会進行編です。番組プロデューサーの誰かがしゃべっている間、視聴者スタンド側はものすごい勢いで挙手してアピールしていましたが、ほとんど言いたいことの半分も言う時間がありませんでした。

時間配分の面でどうだったのか、というお話。

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39人を三宅アナ一人で仕切っている

ブリーフィングスタジオ設備編でも書いたとおり、発言は、ハード的にはマイクでいきなりしゃべっても乱入可能になっています。しかしそれだけでは収集がつかないため、三宅民夫アナウンサーにアピールして当ててもらうルールになっています。

来る前は最初、三宅アナが進行役で、武内陶子アナウンサーがマイク持っていって「ではこちらの主婦の方に聞いてみましょうか」とやるのかな、と思っていましたが、実際には放送されたとおり、討論中はたった一人で進行も指名も行っています。

「会社員 仁礼」名札私はよく名前を呼び間違えられるので、事前に担当ディレクターの方に「名札に “にれ” とフリガナふれませんか?」と聞いたのですが、その時返ってきた答えはなんと

三宅アナがちゃんと正確に記憶したので大丈夫です」 ((ハタ目で見るよりあのネームプレートは相当大きくてカメラ的にちょうどなので、フォントサイズ的にあれ以上余計なこと書けなかったんだと予想))

出演者は視聴者 25名 + プロデューサー 9名 + パネラー 5名の 39名。小中学校の 1学級の人数でボリュームゾーンが 31-35名ですから、大きめの学級を受け持った担任の先生ぐらいでしょうか。「生徒」が並大抵ではありませんが 🙂

感心したのが、前半を終了したときに、三宅アナが名前を読み上げ始めて、

「….さん、…さん。以上の方はまだ一回も発言されていませんので、1人 2回はご発言いただけるようにしていこうと思います」

にこやかに淀みなく進行しながらも、発言者をすべて把握していて、アナ的にはバランスは考えているというわけで、プロの仕事だなと思いました。

田原総一朗氏の朝まで生テレビ的な、司会本人が主張モードと仕切りモードを切り替えながらエネルギッシュにやるタイプを期待する人もいると思いますが、それに比べて仕切りの難易度はどうなのでしょうね。

1人1コメント 30秒は妥当か

全体の放送時間は 2時間 45分 (165分) です。

視聴者ピラニアさんチームに与えられた持ち時間が、ワンコメント 30秒 x 2回。

ここからは予想です。そういうタイムシートをもらったわけではないので、あしからず。

プロデューサーは、民放からわざわざ交渉して召喚した都合上、番宣ぐらいさせないとでしょうし、NHK 副会長民放連会長にはシメのおいしいところで話す時間を確保する必要はあるでしょう。取りすぎですけど。

視聴者の倍しゃべる枠があったとして、

  • 1塁視聴者 … 25人 x 2回 x 30秒 = 25分
  • 2-3塁プロデューサーとパネラー … 14人 x 2回 x 1分 = 28分

これで 53分ですか。

プラス、素材ビデオの放送、微妙テイストの寸劇、アンケート出題と結果読み上げで 50分

53 + 50 = 103分。あれ、まだまだ余裕ありますね。

実際、発言が多い人、少ない人を平均して、設計の喋っていたとして 106分

106 + 50 = 156分

だいたい雰囲気的にこんなものでしょうか。

あと三宅アナ自身が流れをコントロールするために喋っている時間を加えて一杯。

このパツパツ状態で、アナウンサーの最後の一言が終わって即「NHK ニュースの時間です」に持っていく必要がありますので、いつもやっている仕事なんでしょうが、ジルベスターコンサートとどっちが難しいかってところでしょうか。

発言が長すぎる人には、アナウンサーが促して尺を丸めるほか、見えないところで「手短にお願いします」カードが 2回、出ています。

企画の段階で、全体の沈黙を恐れるあまり、出演者詰め込みすぎなんじゃないかと思っています。スペース的にコロシアムセットがぎゅうぎゅう詰めなように、発言時間的にも白熱感を出すため詰め込んだ…んだろうけど、詰め過ぎてお弁当の具がつぶれてしまい、おいしさ半減です。

三宅アナは必要な仕事はしているように思えます。ンなことより、頑張ってる職人に、番組予告編でテレビのかぶり物させるのは可哀想です。 🙂

「テレビの、これから」舞台裏シリーズ完結!

というところで、「テレビの、これから」に出演し、率直に感動したり疑問に思った点は、あらかた書いた気がします。最初、出演依頼されたときは正直驚きましたが、なかなか頭を使うアハ体験で楽しかったです。

現在、「会社員 仁礼」のネームプレートは会社の私の席にデカデカと飾ってあり、そばを通過する同僚社員の注意を無駄にひいていたりします。

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