Movable Type ではなく WordPress を選んだ 3大理由

そういえば、ブログサーバを導入するにあたり、Movable Type じゃなくて WordPress にした理由を書いていませんでした。ブログ / CMS サーバの仕組み、動的生成、有料化、Akismet について。

WordPress Blue Logo: 100x100

ブログサーバは Web サーバ単体で動いているわけじゃない

ブログ / CMS サーバである WordPress にせよ Movable Type にせよ、PHP や CGI スクリプトがWeb サーバ (apache, IIS) 単体の上で動いているわけではなくて、記事を格納するための SQL サーバがバックエンド (ご本尊) として動いています。書いた記事は、タイトル、パーマリンク URL、カテゴリー、タグといった付加情報とセットになって、データベースに格納されます。

WordPress, Web サーバ, SQL サーバ

Web クライアントからのリクエストがあると、SQL サーバから記事情報を取ってきて、ページのテンプレートを構成するテーマファイルを基にタイトルや記事本文などを流し込み、周囲にはウィジェット (最近の記事、タグクラウド) や各種ブログパーツを配置して、1ページがやっとできあがります。

回りくどいことをせずに、できあがりの HTML ファイルだけ、記事を書いた瞬間に作成して、SQL サーバなんて使わなくていいじゃないか、という気がするかもしれません。しかし Web サイトの HTML ソースを 1から書いてみたことがある人は分かると思いますが、サイトのレイアウトをちょっと変更するために、統一性を保つため、全ページ繰り返し、同じような変更を加える羽目になり ます。

動的生成か、静的生成か

HTML ファイルを、Web ブラウザからのご注文を受けてからお作りします状態を動的生成 (ダイナミック・パブリッシング) といいます。逆に、Web ブラウザに聞かれる前に、できあがりの HTML を作り置きしておくのが静的生成 (スタティック・パブリッシング) です。

ブログサーバに移行する際に、日本ではまだまだ旬の Movable Type ではなく、WordPress を選んだのは、この動的生成であることが最大の理由でした。

  • Movable Type … もともとは静的生成が基本だったが、後に動的生成もサポートするようになった。ただし動的生成は後付けのためか制約がある
  • WordPress … 最初から動的生成オンリーで設計されている。静的生成は本体ではできない

静的生成は、記事やレイアウトに変更がない限り、何人見に来ても同じ HTML コンテンツを見せれば良いため、できちゃえば楽ですが、逆に、ページのレイアウトをちょっと変えただけでもコンテンツの再構築が必要です。

Movable Type についての記事を検索エンジンで探してみると、ちょっとした変更で全ページ静的生成するのに、ン時間かかったとか、極端な例だと思うがクラクラきそうな話が一杯あります。Movable Type 内部では各種キャッシュで高速化が図られているようですが。もっと致命的なのは、記事数が増えてくると、再構築時にいきなりエラーになることです。

小粋空間: Movable Type で再構築エラーになる場合の原因と対処

回避する方法として、(意訳すると) ロリポップのような重いレンタルサーバでは、MySQL ではなく SQLite を使うとか、重いサーバやめて引っ越しましょう、とか、再構築単位を少なくするなどの細かいチューニングを施すとか、なかなか涙ぐましい努力が必要なことが分かります。

将来的な再構築エラー地獄で、当時は Movable Type にマイナス 1点と。

有料化しようとして反発された Movable Type

ブログ導入時に両方いじってみた感じでは、単純明快で瞬殺インストール、だけど色んな意味で素っ気ない WordPress :mrgreen: と、ウェットかつ幕の内弁当な Movable Type という感じで、Movable Type も悪い印象は持ちませんでした。

また日本市場ではそれなりに使われていても、Movable Type は一度は有料化しようとして非難を浴び、ユーザー離れを招いた経緯があるのに対して、WordPress は創始者 Matt のコメントでも分かるとおり、WordPress それ自体はフリーで、これを売って儲けようとはしていません。

Akismet が WordPress の隠れたセールスポイント

もう一つ言えば、メールサーバの運用上の経験です。1996年からあるドメイン nire.com には、SpamAssassin のようなありきたりの Spam 対策では不十分で、Spam メールがパラパラと通り抜けてきます。tarGrey などややアグレッシブな方法の導入が必要になります。

ブログの世界にもコメントスパムがあるので、かなり強力な Spam フィルタとして評判の高い Akismet プラグインが使える WordPress は +1点、というところです。実際、Matt も Akismet の企業向け組み込みをビジネスの一つにしているようです。

…とまあ大きく 3点が理由で、成熟している Movable Type より、発展途上すすめ、ワクワク、ピリリと辛い WordPress に乗っておきますか、というチョイスなのでした。

ところが記事数が増えてくると、WordPress にも対岸の火事と笑っていられない、受難の時期がやってきます。

つづく。

2件のコメント

  1. nagamatsu

    記事と全く関係無い事でスミマセン。が。

    FireFox3.013(MacOSX)だと、
    http://www.nire.com/2009/04/movable-type-wordpress/ などのページが、
    Internal Server Errorとなりページが表示されません。

    http://www.nire.com/page/23/ とかだど、表示されるのですが。

    • nire

      こんにちは。
      おとといページ表示を高速化するために、サーバ側に WordPress 用のプラグイン (WP Super Cache) を入れてみたのですが、さしあたりこれを外して、別の実績があるプラグイン (WP-Cache) に戻してみました。

      (出先からリモートで変更 🙂 )

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