イーモバイル Pocket WiFi D25HW のバッテリーの持ちは今ひとつです。モバイル機器全般に、待受時間の表示は実態に合っていないのでは、という話。

連続通信時間 4時間

CradlePoint PHS300 の 1.5-2.0 時間に比べれば倍持つことになりますが、4時間とはいっても公称での話。

30分 Web で調べ物をしながらブログ記事を書き、時々セーブしていると、4本ある電池残量表示が 1本減ります。だいたい実際の通信時間はせいぜい 2 時間強ぐらいと。Eee PC 901-X + D11LC の組み合わせで、ときどき WordBench の議事メモをアップするぐらいなら 1日持つことを考えると、かなり短いです。

予備バッテリーも発売される予定なので、じゃあそれを持ち歩けば解決…という気もしますが、実はそんなことせずに手持ち USB スティックタイプの D11LC を “予備” としてカバンに放り込んでおけば良かったり。なんたって 29g ですから 🙂

連続動作時間 100時間

もっと体感的にいただけないのがこっちで、いわゆる待受時間です。電源つけっぱなしでは 1日持たないことがあります。

使い方は

  • クライアントは Eee PC 901-X 1台だけ
  • 地下鉄とか激しく乗り換え
  • 電車で移動中に、延べ 1時間ちょっと Web ブラウズ。あとは PC をスリープ
  • 動画は見なかった
  • 後は無線 LAN 通信ゼロの状態で 1日持ち歩いただけ

これでバッテリーが切れてしまい、Eee PC に USB 直結して事なきを得ました。

100時間というのは、まったくネット接続せずに、電波状況のベストな場所で放置したらであって、1時間通信すれば、1/4 減って 75時間といった計算なのかもしれませんが、だとしてもこのバッテリーの減りっぷりは異常です。

必要なのは無線 LAN 自動オフではない

バッテリー消費を減らすために、無線 LAN 自動オフの時間を 10分 → 5分に短縮するといった小手先テクもありますが、使い終わったら「電気を大切にね!」と言いながら電源オフが一番良かったりして。CONNECT ボタンも WiFi オンオフボタンも、Web 管理画面も要らなくてコストが下がるのでは、と思うのは私だけでしょうか。

本当に Pocket WiFi に必要なのは、電源自体のオートパワーオフでしょう。

もちろん AC アダプタ接続時は、自動的にオートパワーオフも無線 LAN 自動オフも、自動的に disable (解除) する仕様でお願いしたいところです。

本当に日本の電波環境で測定した結果なのか

D25HW は、中国華為技術 (Huawei Technologies Co., Ltd, ファーウェイ) の i-mo (E583X) という商品を日本向けに発売したもののようです。液晶表示部分をエリアによってカスタマイズしたぐらいで、ほぼ同じものが欧州でもアジアでも売られていると。

東京都内の電波環境に限っていえば、高層ビルだらけ、地下鉄ありでハンドオーバーだらけ、単位面積あたりの携帯端末いっぱい、無線 LAN アクセスポイント増加中で、直進性の高い 3.5G や IEEE 802.11b/g の電波にとって悪夢みたいな混雑っぷりだと思いますので、移動が多い使い方だとバッテリーの消費は自ずから激しいと思います。

待受時間のインフレ

欧州など海外向けモデルでは 4時間としかアナウンスされていないようなので、100時間という数値はどこでどんな風に測定された結果なのかは分かりません。

手持ちのシャープ携帯 SH-01A を見てみたら、

  • 連続通話時間 約210分(静止状態)
  • 連続待受時間 約560時間(静止状態)

と、ツッコミどころを減らすためか (静止状態) と断り書きを入れながらも 560時間という数値でしたが、体感的にそれほど長いとは思えません。

前に Eee PC 901-X 自身のバッテリー駆動時間が国により表記が違う話を書きましたが、一種の「待受時間のインフレ」は、今までに見聞きしたモバイル機器全般に言えると思います。

もう少し利用実態に即した測定方法を標準化してほしいですね。