ニコン D4S の購入を決断するまでの話、続きです。ニコン Df にぐらつきながらも買わなかった理由と、D4→D4S のスペック的な違い、スペックに出ない違い。

Nikon D4S: ロゴ入り斜め

D7100 をまず検討してみたが…

前々からサブカメラとしてニコン D610, D7100 などを検討したものの食指は動かず。D7100 は、ボディ重量が約765g と軽くて良いんですが、以下のような点がモデル撮影にはツラいと。

  • APS-C サイズのため、風景のボケ味がフルサイズより出しづらい
  • 精緻に写りすぎるローパスレスフィルターは、細かい風景画や建築物には良いが、女性モデルにはマイナスに働く (D800E での経験で)
  • 連続撮影可能コマ数が少なく、連写を続けているとバッファフルになりやすい

Df を買わなかった最後の理由 – サブコマンドダイヤル

ニコン Df はもっとも真剣に購入を検討しました。CP+ で撮影した、D4 のセンサーを搭載した機種だからです。物理的なダイヤルが沢山ついているのもメカ好き魂を刺激します。しかし、そのダイヤルを回すのに引っ張ったり押したり、アンロック操作が入って馴染めません。

さらに、カメラ前面のサブコマンドダイヤルが直径が小さく縦回しのため、D800E と操作が統一できないことが仁礼的に致命的で、買いませんでした。

以下の写真はニコン D800E と D4S 上面の比較。

Nikon D800E vs. Nikon D4S:  上面

ボディ右前、シャッターボタンの前にあるギザギザ歯車のようなダイヤルがサブコマンドダイヤルで、絞り値を設定。右手前にあるのがメインコマンドダイヤルで、シャッタースピードを設定 ((設定でメイン – サブは逆にできます)) 。

モデル撮影ではマニュアルモードを多用しますが、この 2機種なら、絞りとシャッタースピードの設定は同一というわけです。

どっちも水平に回るのがミソで、絞りを 1/3 段絞ったら、シャッタースピードを 1/3 段下げて露出値を維持する、という操作が、お互いにダイヤルを逆方向に回すことで感覚的にできちゃうわけです。

ハード的には変わらないが、ソフト的に煮詰めた D4S

Df の次に、ついに D4 のマイナーチェンジ版、ニコン D4S の開発が発表されました。ニコン一桁台機は、D3 → D3S → D4 → D4S のように、メジャーバージョンアップでは数字が 1つ上がり、マイナーチェンジでは後ろに S がつく ((D3X のように X がつく場合もある。この場合は解像度が上がる))のです。

手持ち D800E と、マイナーチェンジ前の D4、そして D4S の仕様をポイントだけ比較してみます。

D800E D4 D4S
記録画素数 7360×4912 4928×3280
総画素数 3680万画素 1620万画素
連続撮影速度 EN-EL15使用時
FX … 4コマ/秒
DX … 5コマ/秒
MB-D12使用時
FX … 4コマ/秒
DX … 6コマ/秒
CL: 約1~10コマ/秒
CH: 約10~11コマ/秒
ISO 感度 ISO 100~6400
減感 ISO 50 相当
増感 ISO 25600 相当
ISO 100~12800
減感 ISO 50 相当
増感 ISO 204800 相当
ISO 100~25600
減感 ISO 50 相当
増感 ISO 409600 相当
フォーカスポイント 51点
AF モード EXPEED 3 EXPEED 4
AF
センサーモジュール
マルチCAM 3500FX
寸法 (WxHxD) 約146×123×81.5mm 約160×156.5×90.5mm
重量 ((バッテリー、メモリーカード含む)) 約1000g 約1340g 約1350g

大体、スペックの中で分かりやすくもてはやされるのは画素数や連続撮影速度 (連写枚数) ですが、D4 → D4S では変化がありません。製造コストに直結するハードウェアスペックではなく、ソフトウェアのアルゴリズムを煮詰めたらしく、D4S は

  • AF の食いつきが良くなっている (ピンぼけが減る)
  • EXPEED 3 → 4 に上がったことで、階調再現性がアップしていることが期待できる
  • ISO 感度は 1段分アップ。同一 ISO でもノイズが少ない

天気が悪い日の夕方や、暗いハウススタジオでのモデル撮影に威力を発揮しそうなカメラのようだ…と購入する意思を固め始めました。

待ちくたびれて PS4 を買おうとした俺にその時はきた

ニコン D4S の製品発表は 1月7日、ラスベガスで開催された 2014 International CES でした。普通 1桁機は、オリンピックでプロカメラマンがスポーツ選手の一瞬を撮影するために買うので、五輪開幕前には発売されていておかしくないのですが、ソチ五輪が始まっても価格がアナウンスされず。

2月13日から 16日の間に行われたカメライベント CP+ 2013 でも、触れないモックアップ展示でスペックも詳細は非公開。

D4S はスルーでPlayStation 4 やら色々散財しちゃうぞ? と思い始めていた 2月25日、ついに発売のアナウンスが行われました。無印 D800 予約で 1ヶ月以上待たされた苦い思い出があるので、その日のうちに家電量販店に予約しに go.

ということで、次回、戦いの価格交渉編。
つづく。