1週間ほど Google Home 日本語版を使ってみて、普段づかいしているコマンドと、Chromecast との強力な連携と、逆にやりたいことができなくて困っている Google カレンダーや音楽のシャッフル再生について書いてみます。

詳しくは Youtube 動画をすでにアップしてあるので、それも見てください。サムネが共用なのでなんかケバいですが許して。

動画は再生開始すると、各パートの説明にダイレクトにジャンプするようにしてあります。

あと、より詳しい Google Home 日本語版コマンドリストを作ったので、すでに Google Home ユーザで、コマンドの微妙な表現で詰まっている方には参考になると思います。

天気系のコマンド

「OK Google. 今日の天気は?」

基本的に Google Home に呼びかける時は、事前に登録しておいたキーワード「OK, Google」もしくは「ねぇ, Google」で始めますが、以下ではすべて省略します。

「今日の渋谷の天気は?」
「明日は傘いる?」

朝急ぐ時に、場所ピンポイントでパッと聞ける手軽さはありますね。といっても、朝のテレビでも天気予報はやってるので、キラーコンテンツというわけではないですが。地名をつけないと、Google Home セットアップ時に指定した住所周辺の天気になります。

調べもの系

ちょっとした調べ物系です。

「月までの距離は?」
「東京オリンピックはいつ?」

「クジラの鳴き声は?」
「羽生結弦の身長は?」

良く言えば子供の調べ物に合うというか、単語一つで表現できるようなものは良いのですが、実際に Web ブラウザでタイプして調べるような2つ以上の単語での絞込みができず、

「(検索ワード) + きまった接尾語」

でしか引けないため、仕事にガンガン使うというレベルではない気がします。

音楽を聞く

Google Play Music もしくは Spotify から曲を再生してくれます。

「何か音楽をかけて」
「プレイリスト『いつもの』を再生して」
「この曲いいね」 (いいねされて『高く評価』のリストに入る)

この辺の流れは非常に良いのですが、私の使い方ではプレイリストをランダム再生できないのが痛いですね。Google Home の英語版説明では、ちゃんとそういうコマンドがあるのです。

“Play and shuffle”
“Play shuffled”
“Play on shuffle”

日本語でアタリをつけて呼びかけると
Nirecom「プレイリスト『いつもの』をランダム再生」
Home「『いつものをランダム』を探しましたが、現在利用できないようです」

残念。なので、プレイリストをシャッフル再生 (ランダム再生) しようとすると、

Nirecom「プレイリスト『いつもの』を再生」
Home「Play Music の『いつもの』を再生します」
(いつも 1曲目が最初に再生される)
Nirecom「シャッフル再生」
Home「次のトラックからシャッフル再生します」
Nirecom「次の曲」

と 3つもコマンドが必要で、かつ最初はいつも 1曲目を聞かされるという、まどろっこしいことになってしまいます。

アラーム / タイマー

キッチンでの使い方が想定されているらしく、複数のアラームの追加削除ができます。
まあでもこれは普通かな。

カレンダーの情報

これが一番やっかい。

「今日の予定は?」
のような質問をすると、無償の @gmail.com で登録したカレンダーだときちんと参照してくれるのに、有償の G-suite アカウントでは逆に予定を参照してくれないようです。英語版 Google Home のスレでさんざんそのような話題が出てきます。

Google アカウントごとの「メインカレンダー」(main calendar) のみ Google Home からのアクセスの対象になるという情報もありますが、

Currently, you will only hear events from the main calendar associated with the Google Account linked to Google Home.

じゃあ G-suite ベースのアカウントで、メインカレンダーなら参照してくれるというわけではないようですね。私のように企業ユースでなくても有償アカウントを使っている変態ヘビーユーザーもいるのですから、きちんと対応してもらいたいものです。

Chromecast で Youtube と連動が便利

ズバリ言いましょう。

Google Home ユーザーなら Chromecast を必ずセットで買うべきであると。それぐらいこの音声で動画再生というエクスペリエンスには一歩先の未来を感じます。

Youtube と Netflix が対応していて、キーワードで「○○の動画を見る」「Netflix で (番組名) を見る」で該当するものを再生してくれます。一時停止やテレビをオフなども音声で OK。

仁礼家で、タイトルを知っている動画をちょっと見せる時に使うようになりました。

キーワード一発で見られる動画であれば、「スマホで Youtube アプリを起動し、検索して、Cast ボタンを押す」よりも圧倒的に速いです。しかしこれも、ズバリのタイトルやキーワードを思い出せなかったり、2つ以上のキーワードで検索するようなものには対応できません。

音声認識のレベルは高いが、検索結果が I’m feeling lucky なのよね

Google Home は平たく言うとイージーな検索、イージーリスニングには良いのですが、突っ込んだ検索や、作り込んだプレイリストのランダム再生と言った、スマホ / PC では実際にやるようなもう一歩突っ込んだシナリオが、まだ Google Home ではできません。

Google Home は現段階では、検索、音楽、動画再生すべての面において I’m feeling lucky であると言えます。

I’m feeling lucky というのは、Google が Web での検索サービスを始めた当初、検索窓の下にデカい I’m feeling lucky ボタンがあって、それを押すと検索結果に最初に出てくる候補が、当時の検索エンジンの水準からすると群を抜いて的を射た検索結果が出てくることでユーザーを驚かせたあたりから来ています。

Google Home では音声版でまずその I’m feeling lucky を実現して、凝った 2単語以上の検索や、自然言語処理的なやり取りは次のフェーズとして考えているように見受けられますね。

それにしても、音声認識ほとんど外さないなあ。IBM ViaVoice という PC 用の音声認識で、300個とか例文を学習させて、それでも認識率が低かったことを考えると隔世の感がありますね。